第10回:つなぐコミュニティーズから企業面接へ

~ チャレンジの記録 ~

面接に向けた準備

私たちの面接準備は、徹底的な対策と体力作りから始まりました。

1. 仲間との実践的な対策

面接に向けて、事業所では想定される質問を考え、仲間同士で繰り返し練習を重ねました。自己紹介や志望理由をどう伝えるか、互いにフィードバックし合うことで、少しずつ自信を持つことができるようになりました。また、ビジネスマナーや身だしなみ、姿勢など、基本的なことも丁寧に確認し、本番さながらの緊張感を体験することで、応対スキルを磨きました。この練習を通じて、具体的なエピソードを盛り込んだ説得力のある自己PR文を作成し、さらに「自分取扱説明書」という自分の障がいの特性を知るための説明書の完成度を高めることにも注力しました。

2. 障がい者枠での対策と体調管理

就労に向けて、チーム全体で体調を整えることを最優先しました。個々の体調に合わせて医師と相談しながら対処し、一般就労に向けた基礎固めを行いました。特に、就業時間8時間に耐えるべく体力を作ることに注力し、週3日を目安に出社を増やすなど、柔軟に対応しました。あるメンバーは、体力作りの一環でダイエットに取り組み、体重を大きく減らして筋肉を付けるなど、心身の健康を維持することを心がけました。

3. 事前の課題設定

模擬面接を重ねる中で、「想定外の質問に弱く戸惑ってしまう」という共通の課題が浮き彫りになりました。この経験から、面接対策シートの予測幅をさらに広げるという次なる改善目標を設定し、あらゆる質問に対応できる準備を進めました。

3人で挑んだ面接当日の様子

9月中旬、私たちは3人でとある企業の面接に臨みました。

当日は緊張もありましたが、仲間が一緒だったことで心強さを感じました。企業の方からの質問に、それぞれがこれまでの準備期間で培ったスキルや知識を最大限に活かし、真剣に答える姿を見て、互いに頑張ろうという気持ちになりました。面接官の方々も真摯に話を聞いてくださり、最後まで安心して臨むことができました。これまでの努力が実を結び、本番に落ち着いて臨むことができたこと自体が、大きな成果となりました。

面接を通じて得られた気づき

今回の面接経験は、私たちに多くの気づきを与えてくれました。

面接を経験することで、話す内容だけでなく「相手に伝わるように表現すること」の大切さと難しさに気づきました。また、自分一人では気づけなかったことも、仲間の受け答えを聞く中で学ぶことができました。事前に準備していたことがそのまま活かせる部分もあり、それは大きな自信につながりました。

今回の経験を振り返って

今回の面接は、私たちの就職活動における大きな第一歩となりました。緊張や不安もありましたが、終えてみると「やってみればできる」という実感が、チーム全員で共有されました。同時に、各々の課題やチームとしての改善点も見えてきた貴重な経験になりました。就職活動は単に職を得るためだけではなく、自分自身を深く見つめ直し、成長するための機会であると改めて実感しました。

次への一歩に向けて

この経験を活かして、今後も就職に向けて準備を続けていきます。次は、さらに自己紹介や自分の強みを分かりやすく伝えられるように練習し、次の機会があれば、より落ち着いて臨めるようにしたいと考えています。就労に向けて始まったばかりですが、仲間と共に挑戦した今回の体験を力に変えて、次の一歩を力強く踏み出していきます。