【今年度すでに6名が就職】支援者が決めない?つなぐコミュニティーズが「意思決定支援」を大切にする理由:第2話

「自分で決める力」自己決定支援のイラスト

「どんな仕事が向いていますか?」

「就職した方がいいですか?」

「このままB型を利用した方がいいですか?」

就労支援の現場では、このようなご相談をいただくことが少なくありません。

支援者としては、「あなたにはこちらが向いていますよ」と、つい答えを伝えたくなる場面もあります。

しかし、つなぐコミュニティーズでは、できるだけ答えを先に伝えないようにしています。

それは、支援者が決めた就職ではなく、「本人が自分で納得して決めた就職」こそが、長く働き続けるために大切だと考えているからです。

自信を失うと、「決めること」が難しくなる

障がいや病気の経験だけでなく、長い離職期間や過去の人間関係の失敗、仕事での挫折などを経験すると、自分に自信を持ちにくくなることがあります。

  • 「また失敗してしまうかもしれない……」
  • 「自分にはどうせ無理だ……」
  • 「誰かに決めてもらった方が安心できる」

そうしたお気持ちになるのは、決して特別なことではありません。

しかし、その状態で支援者がすべてを決めてしまうと、一時的には安心できても「自分で決める力」は育ちません。

就職は、人生の大きな選択です。だからこそ私たちは、本人が自分の意思で納得して選べることを何より大切にしています。

意思決定支援とは、「代わりに決めること」ではない

「意思決定支援」という言葉を聞くと、「本人の希望をそのまま100%叶えること」と思われるかもしれません。しかし実際には、もう少し丁寧なプロセスを重ねていきます。

具体的には、次のようなステップを一緒におこないます。

  1. 本人の思いや不安をじっくり聞く
  2. 選択肢を一緒に整理する
  3. 実際に作業や環境を体験してみる
  4. やってみた感想や変化を振り返る
  5. 「次はどうしたいか」を一緒に考える

この積み重ねによって、少しずつ自分で考え、自分で選ぶ力を取り戻していきます。

私たちが目指しているのは、「正しい答えを教えること」ではなく、「自分で答えを見つけられるようになること」です。

作業(訓練)も、大切な意思決定支援のひとつ

つなぐコミュニティーズでおこなっている手作業やPC作業は、単なる作業として提供しているわけではありません。

実際に手を動かし、作業を試してみることで、さまざまな「気づき」が生まれます。

  • 「思っていたより集中できたな」
  • 「自分は細かい作業が得意かもしれない」
  • 「長時間の座り作業は少し疲れやすいかも」
  • 「一人でやるより、人と協力する仕事の方が楽しい」
  • 「PCの作業だとすぐ疲れるが手作業だと大丈夫」

支援者が「あなたはこの仕事に向いています」と一方的に決めるのではなく、本人が経験を通して「自分自身を知る」ことを大切にしています。

だからこそ、つなぐコミュニティーズでは「相談」と「訓練」を切り離しません。

「相談で見つかった課題を訓練につなげ、訓練で見えた新たな気づきを相談で振り返る。」

この繰り返しが自分自身への理解を深め、確実な自信へとつながっていきます。

今年度すでに5名が就職されています

つなぐコミュニティーズでは、2026年度に入り、すでに5名の利用者さんの就職が決まりました。

私たちは、この「6名」という数字を単なる「就職実績」とは捉えていません。

5名それぞれが、自分の生活や体調、得意・苦手と向き合い、自分自身で「働いてみよう」と決断した成果だと考えています。

支援者が決めた就職ではありません。本人が、自分で決めた「意思決定」なのです。

その大切な決断を支えるために、私たちは相談から日々の訓練、そして就職活動までを一つの流れとして寄り添い続けています。

次回予告:第3話

「働くために、なぜ手作業をするのですか?」

ご利用者様やご家族から、このような質問をいただくことがあります。

次回(第3話)は、IT・PC業務特化型のつなぐコミュニティーズが、あえて「手作業」を大切にしている理由についてお話しします。

一見すると単純に見える手作業の中には、就職につながる大切な学びがたくさん詰まっています。ぜひお楽しみに!

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